「駅まで徒歩○分」を考える

Tag: 家探し、 ライフハック、


歩く速度と物件から駅までの所要時間のお話です


ごんだです

この記事を書いている人
ごんだなみ(權田菜美)
元・大学研究所職員。コーラル(株)の経営戦略室で働いている。お客さまにコーラルのサービスをお届けするために、自社サイトを作ったり、企画を考えたり、ブログを書いたりしています。
→詳しいプロフィールはこちら


みなさま、こんにちは。コーラル、経営戦略室のごんだです。

おうちを探すときに、駅から物件までの徒歩距離と時間って、気になりますよね。

コーラルでおうち探しをお手伝いしているお客様の多くも、最寄り駅までの距離を物件選びの大切な条件にします。その際は「駅近」や、「駅徒歩○分」という言葉は、物件の魅力を上げるキーワードになっています。

ただその駅徒歩○分って、表示より、少し時間がかかる気がする!と時々思うことがあるのです。だいたい表示とジャスト同じか、ちょっとだけ多い気がするのです。みなさんもこんな経験はないですか~?

今日はこの疑問をひとつひとつ考えていこうと思います~!

よくある「1分80メートルです」ってだけの記事ではありませんので、おつきあいくだいまし~。

「駅徒歩○分」って、実際歩くとどんな速さなの?

さて!基本から始めましょう。不動産公正取引協議会連合会のホームページの「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」に書かれているのは、

”徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること。”

出典:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則
平成27年12月4日版
http://www.rftc.jp/kiyak/hyouji_sekou.html#005



時速4.8キロ。これは結構、有名な話ですね。いろいろなサイトに記事が書かれています。うーん・・・じゃあ、計測したときに5分30秒だったらどうするの?

”1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること。”

出典:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則
平成27年12月4日版
http://www.rftc.jp/kiyak/hyouji_sekou.html#005



なるほど!5分30秒も、5分50秒も、5分10秒も、6分で計算されるということですね。これは正直な書き方ですね。変にごまかしたりされないのですね。当たり前なのですが、「よっ!この正直者っ!」って言いたくなりますね。

1分あたり80メートルってどうやって決まるの?

もともと、1分あたり100メートルの計算だったそうです。歩く速さは人それぞれですから、最終的に、健康な女性がハイヒールを歩いた速さが80メートルだと言われています。これも結構有名な話ですね。ご友人と「駅からマンションまでの距離ってどうやって測ってるか知ってる~~?」などと、話題のネタになったりしますよね。

健康な女性で、ハイヒール。条件的には私にぴったり当てはまります。うーん。でも、でも、もうちょっと時間がかかる時がある気がするのです。なんでなんで?

さて、ここまではよくある話でした!さらにリサーチしていきます。

グーグルマップの徒歩所有時間はどうやって計算されているの?

最近はみなさん、お出かけの際の交通ルートや所要時間はスマートフォンの地図アプリで検索して、移動される方が多いと思います。私もスマホを買うまでは、パソコンで地図を探して、手書きでメモしたり、地図をプリントアウトしたりして出かけていましたけれども、そんな手間もなくなりましたね。目的地が分かっていれば、事前に調べる必要はなく、移動中の電車やバスの中でスマホで調べ、駅を降りたら地図アプリを頼りに歩くことができ、ナイス時短です。さらにGPSで自分の現在地や向かっている方向も示され、とても便利です。

じゃあ、地図アプリの徒歩所要時間ってどうやって決まるの?一番有名なで使われている地図アプリといえば、グーグルマップでしょう!ということで、グーグルで目的地をいろいろ設定して計算してみました。グーグルマップも、1分につき80メートルの計算でした。「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」(表記が長い・・・)と同じなのですね!

でもでも、やっぱり、不動産屋さんがくれる物件の販売図面に書かれた「徒歩○分」も、地図アプリが示す所要時間も、全部とは言わないけれど、ちょっと時間短くない?!

これは、特に初めて行く場所で感じるのですが、慣れた自宅から最寄り駅までの距離でも感じます。これはどんなことからくるのか考えていきたいと思います。

歩道橋、地下道などを経由する場合は?

歩いて目的地に向かっていると、歩道橋、地下道など、地表の距離は同じでも、昇降があったりして、意外と遠回りになったりしますよね。

簡単にいろいろなことが調べられるので、思わず頼りにしちゃうウィキペディアで、「徒歩所有時間」を検索してみました。

ウィキペディアでの検索内容も基本的には、「表示に関する公正競争規約施行規則」の引用がほとんどでした。が、その情報が平成14年版の情報が載っていて古かったです。例えば、

”歩道橋・地下道・坂道の場合
車両通行量が多い道路や鉄道などを越えるために、歩道橋、地下道や踏切などを経由するときは、それを経由するために余分に歩く距離を含める必要がある。ただし、横断歩道の信号や踏切を横断するときの「待ちの時間」は考慮しなくてよい[3]。さらに、坂道、歩道橋があるために実際に歩く時間が長くなるときでも、道路距離80mを徒歩1分に換算していいことになっている。”

出典:ウィキペディア「徒歩所有時間」
2016年12月11日最終確認
リンクはこちら



とありますが、本記事を書いている時点での「表示に関する公正競争規約施行規則」最新版は、本記事にもリンク先になっている平成27年12月4日版なのですが、ウィキペディアにあった記載は一切なくなっていました。

ただ、書かれなくなっただけで、歩道橋や横断歩道や坂道などで余計にかかる時間は考慮しないよ、というのは変わらないようです。もちろん、赤信号で止まった時間なんかも同じです。

な、なるほど!1分80メートルには、道路状況は加味されていないのですねーー!これは、所要時間表示よりも時間がかかるはずだわ!!

謎の解がひとつゲットできました。ヤッタネ!

集合住宅だと、もっと時間がかかる

同じ住所の物件であっても、マンションであったら1階か10階か、何号棟か、などといった条件で、だいぶ変わってきそうだと簡単に予想できますね。再び、「不動産の表示関する公正競争規則施工規則」(長いよ・・・)に戻ってみましょう。

”団地(一団の宅地又は建物をいう。以下同じ。)と駅その他の施設との間の距離又は所要時間は、それぞれの施設ごとにその施設から最も近い当該団地内の地点を起点又は着点として算出した数値を表示すること。”

出典:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則
平成27年12月4日版
http://www.rftc.jp/kiyak/hyouji_sekou.html#005



要するに、「駅から最も近い地点を起点にしますよ」ということです。おおーー!これはマンションの奥のほうだったり、上層階だったりしたら、マンションの玄関までも数分かかりますから、かかる時間が増えますね。

じゃあじゃあ、何棟もあるような大型のマンションだったらどうしてくれんのさ~?

”当該団地を数区に区分して取引するときは、各区分ごとに距離又は所要時間を算出すること。”

出典:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則
平成27年12月4日版
http://www.rftc.jp/kiyak/hyouji_sekou.html#005



区画分けがされていれば、その区画ごとに計算するということですね。それでもやっぱり、基本は一番近い地点が基準になっているわけです。

分かってきました。

「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」で決められた1分あたり80メートル。実際の所要時間がずれる要素が存在する、ということが分かりました。

所要時間表示と現実のズレ。これはこれで、事実存在しちゃってるので、このズレをできるだけ発生させないように、どうしたらいいのか!これを考えていきたいと思います~。

デイリー・ミニミニ・トラップってありますよね

私が一番に考えたいのは、デイリー・ミニミニ・トラップと私が呼んでいる事件です。

この徒歩○分問題をいつ一番気にするかといえば、朝の通勤通学時間ですね。あとは、誰かと待ち合わせや約束をしているとき。もちろん遅刻はしたくないし、特に朝早ければより大変ですよね。バタバタと支度をし、ギリギリに出発、なんてことは誰でも経験あることです。

こんな時だからこそ起きるのが、デイリー・ミニミニ・トラップです。例えば、

・集団登校の小学生が歩道にわらわら広がって、きゃっきゃうふふと楽しそう!「ごめんね~。通してね~」と話しかけ、通れるまでが時間がかかる。

・エレベーターが来ない~!!

・今日はなんでこんなに赤信号にひっかかるの~?!

・人が歩道にぎゅうぎゅうになるほどいる!思う速さで歩けない~!(渋谷のスクランブル交差点や、西武デパートや109周辺で感じるアレです)

書いてしまうと、ああなんてみみっちい人間なのだろう!と自分でも思うような小さなできごとです。時間にしたら1分2分のことですが、急いでいるときほど、この分単位、秒単位の時間が大事になってくるのですよね。

マイ・マター。実は自分の変化が原因。

次に、私は結構あるのが、デイリー・ミニミニ・トラップの自分版ともいうべき、マイ・マターです。言い換えると、あまり意識していないけれど、いつもとちょっと違う状況にあることに気づかない、そんな自分マターの要素のことです。

・キャリーケースなどを持っていて荷物の多い日は、いつもよりもっと時間がかかる。

・お洋服によって、かかる時間が変わる。(はきなれない靴やハイヒールは時間がかかりますし、タイトスカートや、お着物なんかも、パンツルックに比べると歩くスピードが落ちますね)

・家を出る前に最後に時計を見た時間イコール、出発時間ではない。出発したとに認識した時間がそもそもずれている(最後に時計を見てから、靴をはいたり、カギをしめたり、ということをしていると意外と時間がたっているものです)

・電車やバスに乗るまでの時間と徒歩所要時間を混同している(実際に電車に乗るには、駅に到着してから改札を通り、人の多い駅構内通路を歩き、時には階段を上り下りしたりして、電車に乗るわけです。が、あくまで、「徒歩○分」は駅までの距離ですもんね。)

毎日通いなれた自宅から最寄り駅も、こんな感じの自分マターで時間がかかってしまい、表示通りの○分でたどり着けず・・・なんてこともありますね。

・初めて行く場所で、道に迷う(解説の必要ないですね。アプリや地図を見てても迷うときがある、この不思議)

・迷わなくても地図を確認しながら歩くので思ったより時間がかかる(おうち探しで、内見などに電車で行く場合はこれの可能性がありますね。暮らし始めたら、慣れもありますから、また変わりますね)

まとめ

というわけで、徒歩所要時間の表示が嘘なのでも何でもなく、それ以外の様々な要因によって所要時間が思ったよりもかかったり、かからなかったりするということが分かりました。

決められた「1分80メートル」という速さも、身長や運動能力や、その日の体調や、体調、荷物などによっても変わりますから、どうやってうまくつきあっていくか、というのが大切なのだと思いました。

地図アプリによっては歩く時速の設定ができるものもあるようで、便利に使いこなしたいですね。

ゆっくり歩く(時速4キロ)
標準スピード(時速5キロ)
せかせか歩く(自足6キロ)

というような感じです。「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」の1分80メートルは、時速4.8キロなので、だいたい一緒ですね。

徒歩○分問題。
みなさんのおうち探しの参考になりましたでしょうか~。



それではみなさん、またブログでお会いしましょう~。




a:971 t:1 y:0

コメント


認証コード9866

コメントは管理者の承認後に表示されます。