みなし贈与を避ける適正な価格設定のポイント
親族間で不動産を売買する際、売買価格が「時価」より著しく低いと税務署から“みなし贈与”と判断され、贈与税が課されるリスクがあります。これを避けるための適正価格設定のポイントは以下の通りです。
1. 適正価格は「時価の80%以上」が目安
親族間売買では「時価の80%以上」で売買すれば、みなし贈与とされるリスクが低いとされています。これは、過去の裁判例(東京地裁平成19年8月23日判決)でも「市場相場の80%は著しく低い割合とは言えない」と判断されたことに基づきます。
2. 時価の算出方法
時価は、以下の方法で算出するのが一般的です。
不動産業者による査定価格を参考にする
不動産鑑定士による鑑定評価を利用する(費用はかかるが、より客観的)
路線価(国税庁発表の土地評価額)を1.25倍して目安とする
3. 客観的な証拠を残す
価格の妥当性を証明するために、不動産業者の査定書や鑑定評価書を取得し、売買契約書に添付しておくと安心です。
4. 不動産会社を介することも有効
不動産会社を仲介に入れることで、第三者の視点から価格の妥当性が担保されやすくなり、税務署からの指摘リスクも下がります。
5. 物件の状態や立地も考慮
周辺の類似物件の取引価格や、物件の老朽化・リフォームの必要性なども価格設定に反映させることが重要です。
まとめ
適正価格の目安は「時価の80%以上」
時価は不動産業者の査定や不動産鑑定士の評価、路線価を基準に算出
査定書や鑑定評価書などの客観的な証拠を残す
不動産会社を介して取引する
物件の状況や市場動向も適正価格に反映させる
これらのポイントを押さえることで、みなし贈与を避け、安心して親族間売買を進めることができます。
関連
どの査定方法が最も信頼できると考えられるか
適正価格を判断する際に注意すべきポイントは何か
80%以上の時価基準は具体的にどう適用すれば良いか
適正価格設定で避けたい落とし穴は何か
税務署に認められる適正価格の証明方法は何か